交通事故の被害者必見。保険会社の対応にはこう対処する!

交通事故に見舞われてしまったら、やらなければならない事は、想像以上に存在します。
まずは警察への届出。受傷していたら、直ちに受診し、けがの具合を確認しなければなりません。並行して、自らが加入している任意保険会社へ連絡して、今後の事を相談する必要があります。その後は加害者側が加入している、任意保険会社の担当者とのやり取りが始まります
交通事故の被害者から、よく聞く話ですが、相手方の保険会社の対応が悪く、嫌な思いをした、というもの。ただでさえ、頭の痛くなる事態が山積なのに、これ以上、煩わしい思いをさせられてはたまったものではありません。
この、「嫌な思い」というのも色々あり、大別すると以下の3つが挙げられます。
・相手方保険会社の担当者の態度が悪い。
・通院中に突然、治療費の打ち切りを告げられた。
・示談交渉の際、提示された示談金額に不満がある。

赤い本   別表Ⅰ              
入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
通院53101145184217244266284297306314321328334340
1月2877122162199228252274291303311318325332336342
2月5298139177210236260281297308315322329334338344
3月73115154188218244267287302312319326331336340346
4月90130165196226251273292306316323328333338342348
5月105141173204233257278296310320325330335340344350
6月116149181211239262282300314322327332337342346
7月124157188217244266286304316324329334339344
8月132164194222248270290306318326331336341
9月139170199226252274292308320328333338
10月145175203230256276294310322330335
11月150179207234258278296312324332
12月154183211236260280298314326
13月158187213238262282300316
14月162189215240264284302
15月164191217242266286

単に印象が良くない、程度であれば、忍耐の範囲でもあるでしょう。しかし中には、こちらの無知をいいことに、高圧的な態度でやたらと専門用語をひけらかし、治療費打ち切りや低額な示談金の受け入れを迫る輩もいます。勿論、昨今の大手保険会社では、社内教育も徹底されている事でしょうから、そのような担当者にあたる確率は低いでしょうが、もし遭遇してしまったら、事前に身につけておいた知識が役に立つかもしれません。
この稿では、知識武装として必要な項目について、確認しておきましょう。

① 相手方保険会社の担当者の態度が悪い

交通事故における被害者として、実際に示談に至るまでの交渉相手は、加害者側の保険会社の担当者になります。相手方の保険会社の担当者は、基本的な立場としては、加害者の代理人です。そしてもう1つは、営利企業の1社員である、という事です。加害者の不利益にならないよう、そして保険会社が必要以上に高い保険料の負担を強いられないよう、立ち回る事が至上命令なのです。本来、任意保険会社は、交通事故の被害者に対し、「相応の」保険金を支払う事を業務の主幹としており、その他に日々、契約者から高い保険料を徴収している訳です。ただ、この「相応」が問題であって、被害者と加害者側の保険会社とでは、解釈にかなりの開きが生じます。保険会社としては、支払う賠償金を出来る限り低額にして、会社からの出金額を抑えたいと考えるでしょう。交通事故に遭うなど、一生に何度もあるものではありません。被害者にしてみれば、交通事故に関する知識など、持ち合わせていないのが普通です。その事は、相手側も十分承知の上で、専門知識を駆使してこちらに対応を迫ってきます。
ここで注意して頂きたいのは、相手側が威圧的な態度を取ったり、こちらの意に染まぬ対応をしてきても、決して感情的にならない、という事です。交通事故の被害者が往々にして、心得違いしてしまうのは、「自分は被害者なのだから、謝られて当然」という意識を持ってしまう事なのです。これに対して、加害者側の保険会社はこれから示談交渉する相手に、必要以上に謝罪を重ねると、加害者の過失を全面的に認めてしまう事にもなりかねません。ですから、加害者側の保険会社担当者は、被害者が求めるほど低姿勢にはならず、その事が被害者の心理を逆なでしてしまうのです。もしも、相手方の保険会社担当者の対応に我慢がならないと感じても、保険会社側へ「担当者を変えろ!」などと血走らない事。こちらが余り感情的になると、相手側も態度を硬化させ、場合によっては顧問弁護士を差し向けてくることもあり得ます。そうなると、その後の示談交渉においても、相手側から譲歩を引き出すことが難しくなってしまいます。
それでも、「腹に据えかねる」と言う方は、下記の方法を検討してみてください。

A. 保険会社のお客様相談窓口に相談

相手方の保険会社担当者が、余りにも目に余るような態度を取るなら、その保険会社のお客様窓口に相談を持ち掛ける、という方法があります。言ってみれば、正攻法とも呼べる手段ですが、どのような事を言われたか、あるいはされたのかを仔細に伝える事により、当該担当者の態度が改まるか、担当者そのものが変わる場合もあります。

                 

B. そんぽADRセンターを活用する

一般社団法人 日本損害保険協会が運営する、「そんぽADRセンター」という窓口が存在します。交通事故に関する相談や、損害保険に関する苦情を受け付け、専門の相談員が対応してくれます。損害保険とのトラブルが解決しない場合は、損害保険会社との間に立ち、和解案の提示など、紛争解決に向けての支援を行ってくれます。保険会社の対応に不満が募るようなら、このような機関を利用してみるのも良いでしょう。

② 通院中に突然、治療費の打ち切りを告げられた

交通事故の被害者が受傷し、その後数カ月に渡って、通院治療を続けざるを得ない時、誰もが一度は頭をよぎる事があります。「相手の保険会社、いつまで治療費を払ってくれるんだろう?」
被害者が通院治療を始めてから3~4カ月が経ったころ、加賀者側の任意保険会社から、一方的に治療費支払いの打ち切りを告げてくるケースがあります。一般的に、保険会社が医療機関に治療費を支払う際は、被害者から、治療の内容や症状の回復具合などの医療情報を、保険会社が入手する事を許可する同意書の提出を求めます。それからは一定の期間おきに、病院から保険会社に対し、診断書と診察報酬明細書が届きます。保険会社はそれらの書類を、顧問契約している医療関係者に確認させ、治療状況を常に監視しています。その結果、当該案件が既に治癒しているか、けがが「症状固定」の段階を迎えているかの判断をしたら、保険会社は被害者に対し、治療費支払いの打ち切りを宣告します。因みに症状固定とは、医学的な見地から、けがの症状に著しい進展が見られず、回復も一進一退を繰り返す状態をいいます。ただこれは、保険会社独自の判断であり、いきなり治療費の打ち切りを告げてきたとしても、慌てることはありません。本来、これからもけがの治療が必要か、それともけがが症状固定の段階にあるか、判断するのは被害者自身と主治医だからです。
ところで、なぜ保険会社がこれほどまでに、症状固定に拘泥するのかと言うと、ある目論見があるからです。けがの症状に顕著な回復が見られないなら、一旦、治療費という名目での支払いは打ち切る。その後も、被害者が症状を訴えるなら、それから先は、「後遺障害」として損害賠償の対象と捉え、当該案件の早期解決を図ろうと考えているのです。保険会社側からすると、通院期間が長引くほど、入通院慰謝料がかさむ事になりますし、それならば、早々と症状固定の診断を医師にさせ、一刻も早く示談交渉に持ち込みたいと考えています。
再度、確認しておきたいのは、加害者側の保険会社が一方的に治療費の打ち切りを宣言しても、これに応じる必要はないという事です。保険会社が通達しているのは「治療費の打ち切り」であって、「治療の打ち切り」ではありません。
治療費支払いの打ち切りを宣告してきた時に、痛みやしびれなどの自覚症状が残っているなら、医師と相談の上、「症状固定はまだ早く、引き続き治療が必要」と主張し、治療を継続してください。その診断内容を書面で提出して任意保険会社と交渉し、症状固定まで、治療費の支払いを継続してもらうよう交渉すれば、治療費の支払いを続けさせられる可能性もあります。
しかし、けがが症状固定の段階を迎えてはおらず、それでも、任意保険会社が治療費の支払いを打ちきった場合。しかも、治療費支払いの再開に向けての交渉にも応じないなど、事実上、任意保険会社からの治療費の支払いが受けられないのであれば、被害者自身の健康保険を利用してでも、治療は継続するべきです。自己負担した治療費は、示談交渉する際、示談金に上乗せして、加害者側の保険会社へまとめて請求する事が出来るからです。

③ 示談交渉の際、提示された示談金額に不満がある

保険会社の対応において、一番問題となるのは示談金の額、という事になります。この示談金、元来は、「訴訟に持ち込むところを、お金で解決しましょう」という性格のもので、相場というものがありません。被害者側が納得すれば、それがどんなに低い額でも示談は成立してしまいます。知識不足がたたって、加害者側から提示された額をそのまま受け入れて示談に応じてしまい、後で後悔するケースも後を絶ちません。不正行為である交通事故が原因で、被害者に損害を与えてしまった場合、加害者はこれを金銭で償う義務を負います。この金銭を、損害賠償金と呼びますが、償うという意味合いであれば、可能な限り高額であるべきです。ところが、加害者側の保険会社が提示してくる金額は、必ずしも適正な金額とは言えない場合がほとんどです。その理由は、先に触れた保健会社の事情によるものですが、損害賠償金額を低額に抑えるためには、あるからくりがあります。
損害賠償金には、慰謝料と呼ばれるものが含まれ、この慰謝料を算定するにあたっては、3つの基準が存在します。実はこの3つの基準のうち、どれを適用するかによって、慰謝料の金額に大きな差が生じるのです。

A. 自賠責保険基準による慰謝料算定金額

交通事故における慰謝料算定基準の1つに、自賠責保険基準があります。自賠責保険から支払われる保険金の計算基準をいいます。自賠責保険とは、自動車を運転する者が強制的に加入させられる保険です。交通事故における被害者の、最低限の救済を目的としています。交通事故が起きた際、加害者は自賠責保険に加入していることが前提なので、最低限でも自賠責保険からの賠償支払いは保証されます。賠償金額はとても低い設定となっています。

B. 任意保険基準による慰謝料算定金額

これは、交通事故の加害者が加入している任意保険会社が、被害者側と示談交渉する際に適用する算定基準です。任意保険各社で、独自の基準を作成しています。明確に公表されている訳ではありませんが、大体の相場は存在します。任意保険基準による慰謝料は、自賠責保険基準よりは高額にはなります。

C. 弁護士・裁判基準による慰謝料算定金額

 3つ目が、弁護士・裁判基準ですが、慰謝料算定基準の中でも一番、高い金額を請求出来きます。この基準は、弁護士が相手方と示談交渉する場合や、裁判を起こす際に採用される基準です。弁護士・裁判基準で慰謝料を算定すると、他の基準で算定した場合に比べて、請求金額が2倍、時には3倍になるケースもあります。

先程、からくりと申し上げたのは、加害者側の任意保険会社が提示してくる金額は、自賠責保険基準か、任意保険基準を適用して算定したものです。低額の自賠責基準により算定した金額か、そこからはみ出した部分をカバーした程度の、任意保険基準を用いた金額を提示する事で、自社の支出金額を低く抑えようと図るのです。
3つ目の弁護士・裁判所基準は、過去の裁判判例に基づき、適正と思われる賠償額を設定しています。但し、この基準を用いる事が出来るのは、弁護士だけです。
交通事故に遭い、被害者となってしまったら、なるべく早い段階から、交通事故に明るい弁護士に相談してみる事をお勧めします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です